シンギングボウル
シンギンボウルはまあるくて、大きなおりんのような形をしています。深みのある響きと、まるで優しい人の声のような温かい音がします。おりんの音を聞きなれた日本人にはとても懐かしいような、温かくて心地良い響き。ボーンという響きでお寺の中にいるような感じがしたり、自分と外側の世界の境界がなくなるような感じがしたり、宇宙空間にふわふわういているような感覚になったりと、なんとも言えない心地の良い音なのです。
もともとヒマラヤ地区では紀元前から使われていたようで、神様の声を人々に伝えるためにシャーマンが使用していたとも言われ、シンギングボウルで心を落ち着かせることで、人々の不安や恐怖を和らげていたようです。
その後仏教が誕生し、チベットにも伝えられます。仏教では五感を研ぎ澄ますことが悟りへの到達と言われています。そのために身体の中の音を体現した法具の一つとして、シンギングボウルが使われていたとも言われているそうです。
英語表記ではsinging bowlとなりますが、ボウルの側面をこすって音を響かせると、お坊さんがマントラを唱えているように聞こえるから。素敵なネーミングですね。シンギングボウルの音色と倍音には宇宙の真理が含まれていると言われています。
シンギングボウルはチベット密教の宇宙観をもとに、太陽系7つの惑星に対応した7種類の金属でできています。7種類の金属に天体を重ねて、手のひらの中で天と地とのつながり、小さな宇宙を感じると言われています。(金:太陽、銀:月、鉄:火星、水銀:水星、スズ:木星、銅:金星、鉛:土星)
手作りのシンギングボウルは音や響き、大きさや形もすべて異なるため、ひとつとして同じものはありません。なんだか人と同じだなぁと思います。すべて違うけれど、みんな素敵な音。そのままでいいんだよって言ってもらえる気がしています。